放射線治療情報
1-1 がん治療は現代社会の最大の課題
- すべてのがん患者は最善の治療を受ける権利がある。
- 最善の治療には最高の医療構造が必要であり、医療者は、最高の構造をもってその医療に当たる義務をもつ。
- ある患者が最善の治療を受けられなかったとすれば、当人や家族に不幸な結果をもたらすことになる。医療費の面から見ても、個人・社会にとって不当な出費をもたらす。
- がんの種類、病期(病状の進行段階)、全身状態、個人的な背景などを考え合わせ、単独あるいは併用した適切な治療法を選択する必要がある。
- 腫瘍外科医、腫瘍内科医、放射線腫瘍医らが、総合的に治療法を協議しなければならない。すなわち適切なチーム医療が重要である。
※医療実態調査研究(Patterns of Care Study): 日本PCS作業部会;厚生労働省がん研究助成金計画研究班14-6(原稿)による
1-2 がん治療には次の方法があります
- 外科手術
- 化学療法
- 放射線治療
- 組み合わせ治療(集学治療)
1-3 主要な放射線治療
外部照射
光子、電子、中性子、陽子、重粒子線を用いた“遠隔照射治療”
内部照射
小線源治療放射性線源 (Cs 137, Ir 192, I 125)を体内 (腔内 又は組織内)へ挿入する“近接照射治療”
1-4 外部照射法
従来法 RT
小線量多分割照射
手術的照射法
大線量1回照射
1-5 集学治療(放射線治療 + 手術 + 化学療法)

3モダリティは全て共通に用いられています。
様々な 順序で行われます。
化学→手術→RT
RT→手術→化学
一般的治療対象部位として、
化学+RT→手術(対食道、子宮頚)
手術→化学+RT(対CNS 腫瘍、直腸)
1-6 放射線集学治療の様々な方法のまとめ
外部照射法(光子、電子、陽子、重粒子線)
- 分割照射(少量の放射線を何度も繰り返し当てる方法)
総投与線量を増加させる1日多分割照射 治療期間を短縮して加速再増殖を抑えることを図る加速分割照射
- 物理的特長を更に増幅
3次元原体照射(3-dimensional 原体l 放射線治療: 3D CRT)
強度変調放射線治療(強度 変調された 放射線治療: IMRT)
少数回の分割照射あるいは1回照射を可能、前者は定位放射線治療(定位 放射線治療: SRT)、後者は定位手術的照射(定位 radiosurgery: SRS)
- 3次元に時間軸を加えた4次元放射線治療
IGRT(Image-Guided-放射線治療)
- 全身照射法(骨髄移植療法の前処置)
- 術中照射法
- 粒子線治療(陽子線、炭素イオン線治療)
小線源治療
- 小線源治療
- 高線量率小線源治療
- 低線量率照射(I-125線源)
化学療法との併用
- 同時化学放射線療法(肺癌、食道癌、子宮頸癌)
- 分子標的薬剤(適応決定の検討あるいはその併用の模索が始められた)
医療実態調査研究(Patterns of Care Study): 日本PCS作業部会;厚生労働省がん研究助成金計画研究班14-6(原稿)による
1-7 放射線治療の歴史

100 年以上にわたって、 がん治療に放射線が使用されてきました。
Wilhelm Conrad Roentgen博士がX線の発見を報告した1895年12月から 1ヶ月も経たない1896年に最初のがん患者が放射線で治療されました。
1-8 放射線治療とは?

放射線はがん細胞を殺すことを狙って直接作用する
放射線治療とは、制御された 外部、または内部照射高エネルギーのX線、電子線及び粒子線の利用により、がん細胞に吸収させ物理的、生物学的作用により破壊に至らせて細胞が分裂増殖ができないようにすることです。
参考資料:
1-9 放射線治療のゴール

放射線治療の目指すところは以下のようなものです。
- 放射線治療のゴールは、健常臓器や組織に極度の障害を発生せずに、腫瘍、領域または 標的体積に照射すること
- 理想的には、放射線の全てが標的体積に照射されて健常組織には照射はゼロにすること
1-10 放射線腫瘍治療の特徴
放射線治療の役割
- 局所治療として手術と同様の治療成績が得られる場合。
- 手術が可能な患者には原則として手術が行われることが多いが、手術によって臓器の形態や機能が失われることによる生活の質(Quality of Life: QOL)の低下を考慮し、放射線治療が選ばれることもある。
- 全身状態が悪い場合や、高齢、臓器の機能が低いなどの理由で手術ができない場合。
医療実態調査研究(Patterns of Care Study):
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