HOME > 放射線治療情報> 5. 放射線治療の経済性

放射線治療情報

5-1 最高品質の放射線治療を提供するための課題

最高品質の放射線治療を提供するには、次の品質課題を取り扱わなければなりません

  • 正確な領域に正しい量の放射線を照射する
  • 健常組織の障害を最小にする
  • 信頼できる安全で経済的な照射治療

5-2 放射線治療が経済的な理由は

手術と組み合わせた 放射線療法ががん制御に最も経済的な方法です。
米国では

  • 22% が手術で制御される
  • 18%が放射線治療で制御される
  • 5% が化学療法だけか、手術または放射線治療と組み合わせて治療を受けている
  • 治癒して長期間に生存している患者の40% は 放射線療法で制御されている

日本の現状はこれとは程遠い状況です
(制御:ローカルコントロール=局所制御のように原発がんが再発せずに患者が生存する場合に制御されているといいます)

5-3 放射線治療受診患者の治療タイプの内訳

1999 Rad Oncology Census - ACS

64% が根治のために治療されました
36% 痛みや症状を和らげるために治療されました

41%が第一次治療後に軽快しました。
23%が第一次治療後に再発しました。
IMRTの対症となるグループです
平均的放射線治療コースの期間=25日
放射線治療の対症となるがんの最も一般的タイプ:
乳房*14.9%
前立腺*14.7%
*14.7%
大腸 11%
頭頚部*4.9%
*IMRT候補患者

5-4 放射線治療は経済的ですか?

一般的な見方は「放射線治療は非常に高い費用がかかる…」ですが、コスト対効果の評価は、総合的価値判断が必要です。
例えば、以下のような点が考えられるでしょう。

  • 治療中と治療後の患者の生活の質(QOL)の改善効果に役立ちます
  • 社会復帰した完治患者は国民総生産性(GNP)の向上の潜在性を秘めています

5-5 放射線治療は、どれだけ価値がありますか?

コストは治療の失敗による影響を含めなければなりません。

  • 治療の失敗コスト、再発の治療費
  • 副作用・有害事象に対する治療費
  • ターミナルケアと痛み制御の放射線治療の効果

暖和治療コストは標準根治放射線医療よりも約6倍かかります。

放射線治療はこれらのコスト低減にも大いに役立ちます。

5-6 コスト対価値は国民総医療費から評価する必要があります

疾患別医療費

循環器系の疾患22%、呼吸器系疾患8%、筋骨格系および結合組織系の疾患8%、消化器系の疾患7%に対し、がんは11%を占めるに過ぎません

健康保険から支払われた医療費を診療行為別にみると
  • 検査18%、画像診断9%、投薬17%、注射15%、手術22%などに比べ、放射線治療はわずか0.7%である
  • がんの放射線治療が仮に10%増えても、医療費の増加は国民総医療費の1%にも達しない。
  • 他の治療法による診療費の減少により、医療費の総額は削減できる。放射線治療を受けるがん患者を増やすのは、医療費を効率よく使う上でも重要である。
医療実態調査研究(Patterns of Care Study: PCS)

5-7 受益者負担

高度先端治療には多くのリソースが必要になります。
医療施設はこの高精度放射線治療を臨床に取り入れられずに薬価基準の改正を待っています。
一方、現状では保険や個人負担による高精度放射線治療を受けずに亡くなるがん患者が日本には多く存在します。
患者は両親であり、子供であり、また友人です。
患者は周囲の人々を心配しながら、痛みに苦しみ死を恐れながら亡くなっています。
この緊急課題の解決には先ず合理的な医療費を自己負担で受けられる治療施設をつくることです。
金持ちだけの病院を目指すものではありません。続いて国内外の保険会社や国が我々を追認することにより将来PFI(Private-Finance-Initiative)としての事業が要求されるようになります。