ちょっと変わった使い方のFDA法規制用語③ Hazard Analysis

ソフトウエアを含む医療機器の510(k)申請やPMA申請を出す際にどの様な情報を出すべきかについて、Guidance for the Content of Premarket Submissions for Software Contained in Medical Devices(医療機器に含まれるソフトウエアの市販前申請内容のガイダンス)というFDAガイダンスがあります。このガイダンスの中で、機器のハザード分析を提出すべき情報としており、以下はその機器のハザード分析関連の説明です。

青文字の用語は、リスクマネジメントの国際規格であるISO14971の用語(下の表参照)に似てはいるのですが、完全には整合していないことにお気づきでしょうか?

用語ISO14971のリスクマネジメント関連の用語の意味
危害(Harm)人の身体的傷害や健康障害、または財産や環境の損害
ハザード(Hazard)可能性がある危害の原因
リスク(Risk)危害の発生確率とその危害の深刻さとの組合せ

青文字を以下の様に書き変えるとよりISOの要求に近くなるのではないでしょうか?

FDAは、ISO14971をFDA認定合意規格(recognized consensus standard)に指定しています。認定合意規格は、「その規格へ適合している場合には、その規格が意図する範囲で安全性や有効性についてFDAは問題にしない」という性質の規格であるため、今まで、この様な合意規格の定義とは異なる使い方をFDAがしている理由がよく分かりませんでした。最近この理由が分かりました。

FDAの「医療機器でのOTSソフトウエアの使用」ガイダンス文書の適用範囲に、以下の説明を見つけたのです。

少々分かりにくい説明かも知れませんが、「ソフトウエアの場合には、ハザードの発生確率を1と考えるべきであり、その結果としてリスクの大きさはその深刻さになるので、FDAは、それを徹底するために、意図的にリスク分析をハザード分析と呼んでいる」ということなのでしょう。

理由が分かってかなりすっきりとはしましたが、ソフトウエアの場合にはハザードの発生確率を1と考えることのみをFDAの主張として、用語の呼び方は変えない方が、ISO14971がよく知られている現状では、より分かりやすいのではと私は思いました。皆さまは、いかがでしょうか?

医療機器でのOTSソフトウエアの使用、医療機器に含まれるソフトウエアの市販前申請内容のガイダンスの和訳(対訳)が弊社の法規制資料販売サイトにありますので、是非ご活用ください。

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