3行でわかる相対論(Lorentz変換)

TECH徒然 (ITや数学のトピック) TECH徒然

Lorentz変換の導出

空間1次元とし,相対速度 \(v = \beta c\) の慣性系 \(O, O’\) の座標変換 \(\left[ \begin{array}{c} ct’ \\ x’ \end{array} \right] = A \cdot \left[ \begin{array}{c} ct \\ x \end{array} \right]\) を求めます.

  1. 光速度不変の原理から光の軌跡は慣性系によらず \(\pm 45\) 度 (i.e., \(A \cdot \left[ \begin{array}{c} 1 \\ \pm 1 \end{array} \right] \propto \left[ \begin{array}{c} 1 \\ \pm 1 \end{array} \right]\)) 
    ⇒ \(A\) は \(\left[ \begin{array}{cc} \gamma & \delta \\ \delta & \gamma \end{array} \right]\) の形.
  2. \(O’\) 系原点位置は \(x’ = (\delta + \beta \gamma) ct = 0\) ⇒ \(A\) は \(\gamma \cdot \left[ \begin{array}{cc} 1 & -\beta \\ -\beta & 1 \end{array} \right]\) の形.
  3. \(O’\) 系から速度 \(-\beta c\) で \(O\) 系に戻る (i.e., \(A(-\beta) \cdot A(\beta) = 1\) ) ⇒ \(\gamma = \frac{1}{\sqrt{1 – \beta^2}}\).

「⇒」の左側が物理で,右側は単純計算です.以上をまとめて出来上がり.

\[ \begin{eqnarray} \left[ \begin{array}{c} ct’ \\ x’ \end{array} \right] &=& \frac{1}{\sqrt{1-β^2}} \cdot \left[ \begin{array}{cc} 1 & -\beta \\ -\beta & 1 \end{array} \right] \cdot \left[ \begin{array}{c} ct \\ x \end{array} \right] \end{eqnarray} \]

省略されている議論

上の計算では下記のようなこと(などの一部)を暗に使いました.

  • 慣性系間の座標変換は1次式.時刻も変わる.
  • \(A\)は\(\beta\)のみで,\(\gamma\)は\(|\beta|\)のみで決まる.
  • \(y, z\) 方向は恒等変換.

これらは必ずしも自明と言えませんが,慣性系の定義や空間等方性の仮定を援用して導けます. Geant4「その6」の半分はその話です.

なお蛇足ですが,前節の1.の条件を \(A \cdot (ct, \pm ct)^T = (ct’, \pm ct’)^T\) と解するのはNGです. \(O\)系で同時刻のイベント \((ct, ct)\) と \((ct, -ct)\) が \(O’\) 系でも同時刻とは限りません.


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